2013年 11月 12日
東京百景 |
稀代の書生芸人が、上京してからの何者でもない日々、そして芸人として舞台にテレビに活躍する日々を東京の風景と共に綴る自伝的エッセイ。
すれ違う怪しい人物たち、なんでもない美しい風景、行き場のない気持ち
――いま最も期待される書き手による比類なき文章100編。
『東京百景』を書き終えた時、僕は三十二歳の中年になっていた。
青春と云うには老け込んだ。
だが大人と云うには頼りない。
誇れる事は一通りの恥をかいたという事のみ。
あくまでも自分の生活に附随した風景だから場所が随分偏った。
観光の供にはならないだろう。
しかし、これが僕の東京なのだ。東京は果てしなく残酷で時折楽しく稀に優しい。
ただその気まぐれな優しさが途方も無く深いから嫌いになれない。(「まえがき」より)
愛しい本になった。
今、好きな本は?と聞かれたら「東京百景」と言い
好きな作家は?と聞かれたら「又吉直樹」と答えるだろう。
久し振りに一度に読むのがもったいなくて大切に少しづつ読んだ。
読み終えてしまうのが悲しかった。
お笑い芸人の本だけど笑わなかった。
だけど、おもわず微笑んでしまう。
微笑みながら眠りについた。
又吉の東京は切なくて、愛すべき優しい仲間との日々は情けなくて暖かい。
「池尻大橋の小さな部屋」は昔の恋の話。一番好きだった。
これは泣いた。切なすぎる。
この本も次女セレクトだ。
紹介してくれてありがとうと言いたい^^
by suuko3077
| 2013-11-12 17:02
| 本