2012年 02月 23日
絶望名人 |
誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、
誰よりも前に進もうとしなかった人間の言葉――
将来に、世の中に、自分の心の弱さに、
結婚に、人づきあいに、不眠に、学校に、
そのほかありとあらゆることに絶望したときに読む本!
「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」――カフカ
カフカの絶望の言葉には、不思議な魅力と力があります。
読んでいて、つられて落ち込むというよりは、
かえって力がわいてくるのです。――編・訳者まえがきより
娘が読んでいた本を「へぇ~、こんな本読んでいるんだ」と手に取った。
「面白い!!」
私はカフカの作品を読んだ事はない。
むろん有名な作品を残した偉大な作家であると言う事は認識している。
偉大な作家がこんな人となりであったとは・・・。
私もかなりの弱虫の根性なしだけど、こんな私も
カフカの絶望っぷりは度が過ぎて笑ってしまう。
カフカの絶望は偉人の悩みらしく国や社会にといった絶望ではなく・・・
「胃が・・・」「父が・・・」「仕事が嫌・・・」と言ったごく身近な悩みに
救いようもないくらいに絶望するのだ。
カフカの言葉を解説している著者の頭木さんの言葉が納得いくもので
とても心に響く。
本当に心が辛い時にポジティブな言葉は心に響かないと彼は言う。
「ほんと、ほんと」と私も思う。
私は妙にポジティブな人は苦手だ。
そういえば、本当に辛い時、話を聞いてもらうのは黙って私の話を聞いてくれる人かもしれない。
死にたいと思っている人に
「死ぬ気になれば何でも出きる」と人は言う。
「何にも出来なくなったから、死ぬ気になったんだ」と悩む人は言い返したくなるだろう。
心がつらい時、必要なのは心に寄り添ってくれる人。一緒に泣いてくれる人だ。と著者は言う。
「ほんと、ほんと」と私は思う。
悲しい時に悲しい音楽を聞きたくなるように辛い時にこの本を読めば力が湧いてくるかもしれない。
カフカの言葉は絶望的だけれど解説者の解釈はとても優しくてわかりやすく
最後のことばで、「弱虫バンザイ!!」と思えた。
なんて悲観的なんだ・・・と思える言葉も、結構自分にもあてはまったりして・・・
それでも、楽しい本だった^^v
じわじわと人気の本らしいです。
人生に行き詰まっていたら読んでみたらどうかな^^
by suuko3077
| 2012-02-23 17:16
| 本